2012年 8月

ストーカー行為の被害を止める為、警察に「警告」の申出をしても、警察が警告を発してくれない場合もあります。

 

◎ストーカー規制法は警察を動かす強制力は無い

ストーカー規制法は、被害者が「禁止命令」や「警告」等の発動させるように要請するといった意味のものであり、被害者が警察に対して「警告を発しろ」と命令する強制力は一切ありません。警察官が、「ストーカーに警告して下さい」「ストーカーに禁止命令を発令して下さい」と申し出ても、当の警察官がその要望を取り上げてくれなければ、ずっと警告は発せられる事はないのです。

また、警察の事件放置という怠慢を罰する法律も無く、警告等を発してくれない警察に被害者側が、それに対して不服申立てをする事もできないのです。警告や禁止命令の他に、警察に働きかける手段としては「ストーカーを告訴する」という手段があります。告訴の場合、告訴状を被害者側から受けた検察官、あるいは司法警察員(階級を巡査部長以上とする警察官を指す)は原則、これを受理しなければならないものとなっています。だし、この原則という言葉が問題で、絶対的な強制力をもつものと解釈されていない為か、警察がなかなか受理してくれないパターンもあるようです。

 

◎では、どうすれば?他に手立てはないのか?

このような場合でも被害者が講じられる手段があります。それが「民事上の仮処分」制度なのです。ストーカーからの被害ケースによりますが、被害者は裁判所に対して、ストーカー行為や、つきまとい行為等の禁止や、被害者への接近禁止を命令して貰う事が可能です。民事上の仮処分のメリットとしては、より包括的な禁止命令を出す事が可能という部分にありますし、警察に動いて貰うように申し出るような、間接的な対抗手段とは違うので、警察が動いてくれないという事で不満を抱く事はなくなると思われます。

 

◎仮処分、そのほかのメリット

この民事仮処分で接近禁止等の仮処分の命令が裁判所から下って後、ストーカーがその行為に違反してね、罰則の規定がありません。ストーカー規制法の禁止命令等違反であれば、最大で1年以下の懲役または100万円の罰金に処されますが、そういった罰則が設けられていないので、ストーカーにとっては禁止と命令されても強制力に欠けるという部分があります。

「え?デメリットじゃないか?」とお思いかもしれませんが、その代わりに民事仮処分の場合は、その仮処分と同時に間接強制という方法をとって強制力を増す事が可能なのです。これは「禁止した内容の仮処分命令に違反した場合は、その都度、被害者に金15万円を支払う事」といった付帯条件を付ける事が可能なので、被害を受けた分、慰謝料的な意味合いのお金をストーカーから回収できるというメリットはあります。

これは命令に違反する事も厭わないような、強硬な態度のストーカーに対して有効です。ストーカー規制法の罰金はあくまで国に支払う罰則金であり、被害者へ支払われるものではないので、その差は大きいですし、またストーカー規制法に違反した場合の罰金は最高で100万円と規定されていますが、この間接強制の条件を付帯すれば、ストーカー行為を続ければ続ける程、何百万でも被害者への債務が罪挙がっていくという事になります。

ただし、金などはどうでもいいから、一刻も早くストーカーを縁を切りたい。目の前に現れてほしくないといういこうであるならば、懲役等の罰則規定の無い、民事上の仮処分命令はメリットが少ないかもしれません。

 

◎時間や費用もかかるので注意

被害者が自力で裁判所に仮処分の申し立てをする事も可能ではありますが、手続きに専門知識が必要であり、またその内容が難解であるので、着補完的には弁護士といった法律家に依頼する事になる事が多く、また、仮処分には保証金が必要になったりするケースもありますから、そうなると総合的にみて、費用も相応にかかります。

その点、ストーカー規制法の警告や禁止命令、告訴は、警察が認めれば、すぐに手続きができるものですし費用も殆ど掛かりません。

また、被害の証拠集めをしなけれはならない、加害者であるストーカーの身元を解明しなければなりませんが、それはストーカー規制法でも、民事上の仮処分でも同じことです。

あとは、仮処分命令を得る為には、幾度かの審尋期日が必要になるので、期間が必要にもなります。一刻も早く、ストーカー被害をやめさせたい、ストーカーと縁を切りたいと思っている被害者にとっては、これは致命的ともいえる問題点といえます。

 

◎ストーカー規制法上での警告や禁止命令に比べると、メリットは少なく思える

費用が掛かり、時間もかかる、手間もかかる、そういった部分から、ストーカー規制法の制定後は、ストーカー事案の民事仮処分の申し立ては減少しています。どうしても警察が動いてくれない、費用はかかってもいいから、ストーカーをなんとかしたいと思うならば、民事仮処分もひとつの手段ではあります。

悪質なストーカーから被害者を守る為に、警告や仮の命令、禁止命令は発令されますが、万が一、加害者側がストーカーだと一方的に決めつけられて、警告や仮の命令、禁止命令を受けた場合、それが不当だと思えば、意義の申立てや命令の取り消しを請求できるものでしょうか?

 

◎警告に関しては…

警告は行政指導の性質をもつとされていますので、警告は行政不服審査法にある不服申立てや、行政事件訴訟法の対象外であると解釈されますので、不当に警告された側としては納得がいかないかもしれませんが、不服申立てや取消訴訟はできません。

→ 結論 警告は取消や異議申立てが一切できない

 

◎仮の命令に関しては…

仮の命令は、行政手続法第二条第四項に規定される不利益処分に該当するとされていますが、仮の命令はストーカー規制法第六条に明示されるように、聴聞等で弁解弁明する機会はありません。ただし、仮の命令の有効期間である15日の期間内であれば、行政事件訴訟法の取消訴訟や、行政不服審査法の審査請求を求める事が可能です。

→ 結論 仮の命令は15日間の

 

◎禁止命令に関しては…

禁止命令は、仮の処分と同様に、行政手続法第二条第四項に規定される不利益処分に当たりますので、禁止命令を発令する前に、聴聞の場で、不当である旨の意見があるならば、その旨の意見を自ら述べる事は可能です。

加えて、前述したように、禁止命令は不利益処分にあたるとされる為、行政不服審査法にある不服申立てや、行政事件訴訟法の対象にもなります。しかし、聴聞を経て行われた不利益処分は行政不服審査法の異議申立てが不可能とされます。そして、より上級行政庁が存在しない公安委員会という組織においては、行政不服審査法の審査請求も不可能であるとされる為、唯一の手段としては、行政事件訴訟法の取消請求のみができる事とされます。

勘違いされている方もいる多いので(ネットを見る限りでは特にそういった、不勉強な情報サイトが多いので)ここで解説しておきますが、ストーカー規制法で規制できる人間は、ストーカー規制法第二条にてこのように定義されています。

 

第二条

この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

 

◎ストーカー規制法では、恋愛感情を発端とする行為でなければ、規制されない

この法律では、ストーカー行為者(加害者)となる人間が、恋愛感情を発端としてストーカー行為や、つきまとい等の行為を行っていた場合に限定して、規制する事ができます。それを発端とする場合と形容したのは、はじめは恋愛感情だったが、その気持ちが拒絶された事に逆恨みして嫌がらせ目的でストーカー行為などを行うに至る場合も規制の対象になるとされています。

 

◎マスコミや探偵業者の尾行追跡は対象外

報道関係者が取材目的でつきまといや待ち伏せをする場合や、それと同様に探偵業者が商業活動として尾行調査等を実施する行為に関しては、上記に定義されている、恋愛感情が発端になっての行為ではないので、ストーカー規制法の対象外となり、規制は受けません。

 

◎その他、金銭目的、近隣住民同士の紛争なども対象外

債権者が、なかなか債務を返そうとしない悪質な債務者に「お金を返せ」と、つきまとう行為も、これは恋愛関係とは無関係ですから、ストーカー規制法の対象にはなりませんし、たとえば、自分をリストラした会社の重役に対するストーカー行為も、怨恨の気持ちはありますが、やはりその行為は、恋愛感情を発端としたものではないので対象外となります。その他、近隣住民同士の争いから、嫌がらせ目的でストーカー行為をされるといった事もあるかもしれませんが、これもストーカー規制法で規制できるものではありません。

 

◎ただし、こういった理由を隠れ蓑にしていた場合は、規制対象とみなされる場合もある

「お金を貸していたのに返してくれない」等というように、債権回収を目的と謳いながらも、その対象が元恋人に対する迷惑行為だった場合は、本当は恋愛感情を発端とするストーカー行為であるのに、金銭目的である事を隠れ蓑にして、ストーカー規制法に引っ掛からないように画策していた可能性があるとみなされれば、たとえ、本当にその目的が債権回収だったとしても、ストーカー規制法に抵触したと処罰される可能性はありますので、ストーカーになるつもりはない方でも、言動には注意されたほうが良いともいえます。

◎ストーカー規制法では以下の罰則規定が明文化されています。

 

第十三条

ストーカー行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第十四条

禁止命令等(第五条第一項第一号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。

第十五条

前条に規定するもののほか、禁止命令等に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

 

これをわかり易く解説すると、罰則の流れとしては大体この3種類になります。

 

◎罰則例1

●条件: ストーカー規制法の定義されるストーカー行為があった場合

●罪名: ストーカー行為罪

●罰則: 6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金

 

◎罰則例2

●条件: 禁止命令等が発令後に、ストーカー規制法の定義されるストーカー行為があった場合

●罪名: 禁止命令等違反

●罰則: 1年以下の懲役、または100万円以下の罰金

 

◎罰則例3

●条件: 禁止命令等が発令後に、ストーカー規制法の定義されるつきまとい等の行為があったが、その違反をしても、ストーカー規制法で定義されるストーカー行為が成立しなかった場合

●罪名: 禁止命令等違反

●罰則: 6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金

 

◎ストーカー規制法違反で処罰されても量刑は全体的に軽い

上記の解説をご覧いただいてもわかるように、ストーカー犯罪の法定刑は最大て半年の懲役、加重類型である禁止命令等違反の場合でもその法定刑は最長でも懲役1年というのは、非情に軽いものであると言わざるを得ません。それもこの懲役1年という求刑がなされたとしても、それは「最長で懲役1年」という意味であり、実際に言い渡される刑が求刑よりも減じられるのが当然の現在の日本の裁判制度では、たとえ、ストーカーが懲役1年と求刑されたとしても、実際は10カ月から数か月というように減じられて言い渡されてしまうのです。

 

◎一年の懲役と求刑しても言い渡しは10カ月。素行が良ければすぐに仮出所

そこに加えて、刑務所内での素行態度が良好と認定されれば、短過ぎるほどの刑期が、半分以下になってしまう事も多々あるのです。2~3カ月で、身勝手極まりないに愛情を押し付けたり、それが成就されないと逆恨みをするような人間が数か月で、改心できるのでしょうか?私は被害者の家族として、未だにそのあたりの量刑が重くならない現状に憤っています。

 

また、ストーカー対策の専門家として、数多くのストーカー事案の相談にも乗ってきましたが、やはり被害者の方は、皆さんこういいます。

「たとえ、勇気を振り絞って、ストーカーを告訴して刑務所に入れられたとしても、数か月で出所してきちゃうんでしょ?それじゃあ、安心できません。なんとか方法はありませんか?探偵さん」

…被害者の方は皆、口を揃えてそう言います。私もかって、被害者の家族としてストーカーと闘った時にはそう思っていました。それから10年以上が経過しましたが、いまだにそのあたりの改善がないのは残念でなりません。

 

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一連のストーカー規制法違反の不法行為が刑事事件に発展する場合もあります。そういった場合、被害者や目撃者が証人として出廷し証言を求められる場合もあります。

◎直接、ストーカーと対面しなくても良い配慮がなされるので安心

この場合、刑事訴訟法にて、被害者や目撃者などの証言をする証人が、ストーカーと対面する事に精神的な不安や恐怖感を感じてしまう場合には、犯罪の性質や加害者側であるストーカーとの関係を考慮して、被告人であるストーカーと、被害者との間を衝立などで遮断する配慮や、または別室の配置されたビデオカメラにて証言を撮影する、ビデオリンク方式での証言も許可されていますので、事前にその要望を伝えた上で出廷し証言すれば、直接、ストーカーと対面する事や、同じ空間に入室させられる事もありません。

◎援助とは?

ストーカー問題の解決とために、警察にその紛争解決の援助を頼む行為です。相談後、警察に「援助申出書」というものを提出します。援助を申し出ると、警察側から申請用紙が貰え、その場で記入して提出する事になります。援助申出書には下記の事項を記載する必要がありますから、援助を要望されている方は事前に、記載内容を考えてメモしておくなどすると手間が省けます。

 

●被害者本人かの住所と氏名

●被害の内容

●被害があった期間

●加害者との関係。加害者がストーカー行為に走ってしまった経緯、ストーカーの目的等をわかる範囲で記載

●受けたい援助はどのようなものなのかの要望

●その他、今回の事案に参考となる事柄があれば記載

 

…以上の項目を記載して援助申出書を警察に提出します。基本的に援助の要請が妥当であると認められれば、申出を行った人が希望する内容の援助が受けられます。

 

◎誰でも条件ナシに援助が受けられるの?

この警察からの援助に関しても、一応の条件があります。それはストーカー行為等の被害者より、「援助を受けたい」旨の申出があり、なおかつ、その申出にある被害内容がストーカー規制法にあるストーカー行為に関連する被害があると認められ、援助の申し出が相当であると認められた時に、はじめて援助が受けられます。

逆に言えば、申出にある被害が、明らかにストーカー行為等に関連する行為ではないと認められる場合や、または加害者側に仕返しをする等の目的でそれを悪用しようとする場合は、この援助の規定外とみなされますので、援助は受けられません。

 

◎具体的な援助の内容とは?

この警察の援助に関しては、具体的にはどういった内容の援助が受けられるかというと…

●被害防止交渉の支援

おススメ度 ★★★★

被害者が、自らストーカーと被害防止交渉(ストーカーとの和解、話し合いがしたい等)を実施しようとした時、話し合いがしたいとの申し入れの代行や、交渉の日時、交渉する場所などを取り決める際の、ストーカーと被害者との連絡役を、警察が被害者に代わり代行します。連絡先をストーカーに知られたくない時、交渉する時までは極力、直にストーカーと話し合いたくない時に有効な援助です。

 

●被害防止交渉においての助言等

おすすめ度 ★★★

前述した被害防止交渉を被害者側が自ら実施する際の注意点や、交渉方法の助言をしてくれます。弁護士などの法律家ほどではありませんが、担当警察官も相応にこういった交渉についての知識やノウハウは勉強していますので、物は試し、無料で受けられるレクチャーですので、助言を受けてみるのも良いかもしれません。

 

●被害防止交渉場所の提供

おすすめ度 ★★★★★(満点)

前述した被害防止交渉を被害者側が自ら実施する際に、その交渉場所として警察署の会議室等の警察施設を提供してくれます。この施設利用をする場合申出人は原則、第三者を立ち会わせる事を要請されますが、第三者の立ち会いが不可能な場合は、交渉時に警察官が立ち会ってくれます。警察署内の会議室などはこれ以上ない安全な交渉場所と言えますし、警察官が立ち会いをしてくれるとあれば、交渉の場としては最高ではないでしょうか?交渉するのならば、この援助はとても有効です。

 

 

●ストーカー行為者の氏名や住所などの教示

おすすめ度 ★★★

被害者が被害防止交渉等による問題解決を要望していても、ストーカーの身元がわからなければ、ストーカーに連絡もできません。そのような場合に、その身元開示に正当性が認められる場合には、被害者側にストーカーの氏名等の情報を開示します。ただし、ストーカーがどこの誰かも、皆目見当が付かない状況で、その犯人捜しを警察がしてくれるわけではありません。あくまで警察が、ストーカーの正確な身元を把握している時に限られます。

 

●支援組織等の紹介

おすすめ度 ★★

ストーカー犯罪の被害防止活動をしている被害者支援団体などの連絡先や、活動の内容を教示してくれます。金銭的に弁護士や探偵などを雇えない場合や、交渉や禁止命令時の聴聞等の場に出向き、代理人として自分の意見を代弁してくれる人間が身内にいない等といった場合、支援団体がそのあたりの支援を無料、あるいは少額で行ってくれる場合もありますので、とりあえず、話だけ聞いてみるのも良いかもしれません。ただし、そういった団体は、慈善事業でやっているような小規模な団体も多く、失礼ながらあくまで個人的な見解として申し上げれば、プロフェッショナルとして常に第一線でストーカー事案と闘っている法律家や、ストーカー対策に特化した探偵等の能力に比較すると、すべてにおいて見劣りする感は否めません。多くを望まない心構えで頼るという気持ちが肝要でしょう。

 

●防犯機器の貸出し等

おすすめ度 ★★★

防犯ブザーや小型緊急通報装置、ナンバーディスプレイ機能搭載の家庭用電話機、携帯電話録音機、家庭用固定電話録音機などの貸し出しを行っています。ただし、貸し出しできる防犯機器の内容に関してはすべての都道府県が前記のすべての防犯機器の貸し出しをしているわけではありません。都道府県によっては防犯ブザーのみ貸し出ししているところも多々ありますので、どのような防犯機器が貸し出して貰えるものなのか、尋ねてみてからのほうが良いでしょう。

 

●警告等を実施したことを明らかにする書面の交付

おすすめ度 ★★★★★(満点)

被害者側からの申出により、ストーカーに対して警告の措置や、禁止命令、仮の命令などを実施した場合、その事実を明らかにする書面を交付してくれます。後々、民事訴訟なども行おうとしているのならば、警告や禁止命令をした旨を世証明する書類は入手しておいた方が、損害賠償などの交渉の際、有利に働きます。是非とも交付して貰いましょう。

 

●その他の支援

おすすめ度 ★★

弁護士やカウンセラーの紹介する等のストーカー対策の措置を教示してくれます。ただ、こういった警察で紹介して貰える法律家やカウンセラーは信用できそうな気がしますが、私の経験上では「ただ単に、電話帳を閲覧した上で被害者の自宅の近所の業者をピックアップした」という選び方をして、それこそ無作為に紹介しているような事も多々ありました。特に「警察の太鼓判が押されている質実剛健、信用力が抜群にある、おすすめ民間業者の紹介」というわけではないようですので、この援助に関しては、個人的見解でありますが、あまりお勧めできません。頼る法律家にアテがない場合、自分で探すのが面倒であるといった場合に利用する程度で良いと思われます。

 

解説ページ→ ストーカーに対して、警察がしてくれる「警告」

解説ページ→ ストーカーを警察に「処罰」してもらうには?

解説ページ→ 警察がしてくれるストーカー対策の援助とは?

平成12年5月18日、第147回通常国会に於いて正式名「ストーカー規制法等の規制に関する法律」略して「ストーカー規制法」が成立しました。この法律は同年11月24日より施行され、これ以降、法律によってストーカー行為等を処罰する等、必要な規制と、被害者に対する援助等を定めるもので、私たち善良な国民をストーカー被害から守るためのものとして成立したのです。

 

◎どうすれば、ストーカー規制法は被害者を守る盾になってくれる?

しかし、突然、自分がストーカーの標的となってしまった時、どうすれば良いのか?ストーカー規制法という法律があるのは知っているが、どのようにすれば、何処に相談に行けば、なにをすれば、この法律は悪質なストーカー被害から、自分を助けてくれるのか?皆目見当が付かないのではないでしょうか?

 

◎ストーカー行為をやめさせる方法は?

悪質極まりないストーカーに、ストーカー行為をやめさせるには、どうすれば良いんでしょうか?それは、その迷惑行為が、ストーカー規制法に抵触する法律違反の行為、不法行為である事をストーカーに通知して警告する必要があります。それでも反省の色を見せない場合や、もともとの迷惑行為が、執拗な反復性のある行為であった場合は、即刻、告訴をして警察に対して、ストーカーを処罰をするように要請する事も可能です。

 

◎警察に動いて貰うには、ストーカー規制法違反となる行為があるかどうかが大切

この法律の規制対象となる迷惑行為の定義は大きく分けて下記の2種類に分けられます。

●「つきまとい等」と定義される行為
●「ストーカー行為」と定義される行為

 

◎「つきまとい等」と「ストーカー行為」って同じ意味じゃないの?

つきまとい等とストーカー行為が別の意味?よくわからないと思われるでしょうが、ストーカー規制法ではそれぞれが別の定義をされています。そのあたりが理解できないと、今の自分が、ストーカーに対して警告ができる被害状況なのか、それともいきなり告訴できる被害状況なのかも、判定できないでしょう。次のページからは「つきまとい等」と称される行為の定義、そしてストーカー行為と定義されるものの内容、その差を解説していきたいと思います。

次のページはこちら→ つきまとい等とは?

警察がストーカーを警察署に出頭させ「これ以上、反復してつきまとい等の行為をしては駄目ですよ」という内容の警告文を交付して手渡す事を「警告」といいますが警察が「警告」の実施をするのにあたり、被害者側が「つきまとい等」の迷惑行為の具体的な決定的な証拠を提出する必要はないようです。

 

◎警告を発令するハードルはそんなに高くないという実態、その理由

「警告」の実施に関しては、あくまで被害者(相談者)側の申告を信用して、警告の申出を受理するのが原則のようです。証拠がないと警察が「警告」をしてくれないといった事は、過去の事例をみるに、そのような事はないようです。ある意味、警告は警告でしかなく、それにいはんしたところで罰則の規定もないので、良い方は悪いのですが「警告」程度の事は安易に受理して貰える風潮が警察にはあるようです。確かに、そのあたりに厳しくし過ぎて、後々、ストーカー事件が大事件に発展したりすれば、また「警察の怠慢である」とバッシングされ兼ねませんので、そういったリスクも踏まえた上で、ストーカーに対する「警告」に関しては比較的、安易に発令してくれそうです。

※あくまでプロの探偵として、これまで多くのストーカー対策事案の解決に尽力してきた私個人の見解です。

 

◎ストーカー規制法を悪用するエセ被害者もいる

それはそれ、逆に問題となっているのは、ストーカー目的ではなく、債権回収の為に相手を何度か訪問したら、それの行為を逆手にとって「ストーカー被害を受けた!」と警察に訴え出る債務者もいるということです。債権がある事実を証明する金銭借用書などがあるにせよ、そういった場合は、法律家を代理人として立てて返済を要求しないと、けしからん話ですが、性悪な債務者がストーカー規制法を悪用する場合があるという事です。

 

◎警察では真実の被害状況を申告しましょう

ストーカー規制法にある警告の部分の条文には、名目としてストーカー規制法第二条にある「つきまとい等」に定義される迷惑行為の事実が相応にあり、それを原因として被害者側がの「不安を覚えさせられた」という被害があったという証言は必要になります。そういった事実も無かったのに、偽りの、あるいは大袈裟な申告をして警察を動かせば、後々「虚偽申告」の罪に問われる可能性もありますから、相談に行かれる際は、あくまで事実のみを申告して下さい。

 

解説ページ→ ストーカーに対して、警察がしてくれる「警告」

解説ページ→ ストーカーを警察に「処罰」してもらうには?

解説ページ→ 警察がしてくれるストーカー対策の援助とは?

◎不安にさせられただけでは、警察は警告程度しかできない。いきなり告訴は無理。

ストーカー規制法の第三条では「つきまとい等の行為によって、被害者を不安にさせたら、即、法律違反」という内容の条文になっています。しかし、法律違反になったのだから、即、刑事告訴できるのか、逮捕・検挙して貰えるのか?と問われれば、答えはノーです。

では、「被害者をつきまとい等の行為で不安にさせたら即違反」となるストーカー規制法第三条の違反となった場合、ストーカーに対して警察はどのような措置がとれるのでしょうか?

まず、ストーカー問題の相談を受けた警察に要請できる事は三種類あります。

 

●警告して欲しいと申し出る

●処罰して欲しいと申し出る

●援助を受けたいと申し出る

 

では、前記した「警告」「処罰」「援助」、我々善良な市民を守る為に、警察が実施してくれるストーカー対策ですが、それぞれの内容はどういったものなのか、どういった条件があれば、警察は「警告」をしたり、「処罰」をしたり、「援助」をしてくれたりするのでしょうか?その条件なども含めて、次のページから徹底解説していきます。

 

解説ページ→ ストーカーに対して、警察がしてくれる「警告」

解説ページ→ ストーカーを警察に「処罰」してもらうには?

解説ページ→ 警察がしてくれるストーカー対策の援助とは?

◎仮の命令と警告の違い?

仮の禁止命令である仮の命令と警告、ストーカー規制法に定義されるこのふたつの制度の違いはなんなのか、おわかりでしょうか?

 

◎まず、発令条件が違う

警告の発令条件としては、

●被害者側から警告の申出がある事

●ストーカーが、ストーカー規制法第二条第一項第一号から八号までに定義される「つきまとい等」のいずれかの迷惑行為を行い、その結果、被害者に対して身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせた場合

…上記が条件となります。これに比べ「仮の命令」の発令条件は、以下のようになります。

 

仮の命令の発令条件は、

●被害者側から警告の申出がある場合

●前記の警告の申出があった時点で、被害者側がストーカー規制法で定義される「つきまとい等」の迷惑行為のうち、その行為が下記のストーカー規制法第二条第一項第一号に掲げる行為である、

つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。

上記の事柄に該当する行為が行われている場合にまたその上で、その行為をしたストーカーがさらに反復して上記のつきまとい等の行為を行う恐れがあり、被害者側が身体の危険や、住居等の平穏が乱され、もしくは名誉が害される事、またはその為に行動の自由が著しく害される等の事を防止するために、緊急の必要性があると、担当警察官が認めた場合。

上記の条件に限って「仮の命令」が交付できるようになります。

このように警告と仮の命令の発令条件は似ているようで、かなり違います。具体的には警告の場合、ストーカー規制法第二条第一項の1号~8号までの「つきまとい等」と定義される条件のうち、いずれかの被害が被害対象とされているものの、仮の命令の場合は、第二条第一項第一号に定義される「つきまとい、待ち伏せ、進路の立ち塞がり、見張り、押し掛け」の行為に限定されています。

 

◎仮の命令は、尾行されたり、見張られたり、自宅などに押し掛けられたりする事に限定される

ですから他に、つきまとい等と定義されている、連続で無言電話をかけてくるような迷惑行為や、汚物などを送り付けてくる行為、面会や交際を執拗に要求する行為などは、仮の命令に限っては発令条件のの対象外になっているのです。

 

◎仮の命令は緊急に禁止命令を出す必要があると担当警察官が判断した場合に限られる。

加えて、被害の態様がある程度、重度のものであると担当警察官が認めた上で、同警察官が事態に緊急性があると判断した場合に限定されるのも、仮の命令の特徴でしょう。

 

◎警告と仮の命令では、効力が違う。

警告の場合は、その警告に違反行為があったと認められた時に、はじめて禁止命令を発令する事ができます。仮の命令はその効力が生じる15日間の間に、公安委員会が主にストーカー側から意見の聴取を行った後に、その命令が妥当である、不当ではないと認められた場合は、仮の命令の発令後に、ストーカーがつきまとい等の迷惑行為を止めていたとしても、正式な禁止命令が発令されるのです。ですから、警告があくまで警告でしかないのに比べ、仮の命令は、禁止命令の事前手続き、仮の手続きといった制度といえます。

 

解説ページ→ ストーカーに対して、警察がしてくれる「警告」

解説ページ→ ストーカーを警察に「処罰」してもらうには?

解説ページ→ 警察がしてくれるストーカー対策の援助とは?

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